私の頭の中では、私は今ここにはいない。(想像力という武器)
突然ですが、問題です。
“サラさんは、起きている時間の半分で家の手伝いを、残りの時間の3分の2で妹の世話をします。6時間寝たとき、勉強は何時間できますか?学校へは、歩いて往復3時間かかるものとします。”
さあ頭の中で想像して考えてみてください。単純な時間の計算です。
自分事か他人事か
この問題は、ACジャパンの広告として、テレビCM等で使用されていたものです。聞き覚えのあった方もいたのではないでしょうか。
そしてこの問題に対する続きとなる答えは
“この問題は、本当に問題です。世界では、子どもの6人に1人が学校に通えていません。”となっています。
さて、みなさんはこの問題を初めて聞いたときに、最初にどのようなことを考えましたか。少なくとも私は、「24-6=18、18÷2=9、……」と考えていました。冷静に考えればこの問題の状況そのものがおかしいということに気づくはずなのです。この問題から見えることは、私たちが耳にするものごとが、どれだけ他人事として処理されているのかということです。
QuestionかProblemか
前回の記事では参議院選挙について書きました。
投票所という空間(参院選2019) - ひねくれ者の頭の中日記
投票率は50%を下回ったようですね。ついに国民の半分が投票を行わなくなりました。そして、その国民の半分以上にとって日本の社会の問題はQuestionとなるわけです。その問題に対しての答えが求められていることを理解しているが、それが、自分にとって何かを影響するものではなく、いわゆる他人事なのです。
多くの人が日本が抱えている問題をProblemと捉えれば、解決すべき問題として政治に関心を持ち、自分事としてその問題と向き合うわけです。
頭の中の自分は違う場所にいれる
見たこと聞いたことを自分事だと捉えるために1番重要なものは“想像力”です。
その状況の中に、あたかも自分がいるかのように想像するのです。そして、その時の感情や考えたことから次の行動を起こす。この行為ができるかどうかで物事に対しての関わり方が大きく変わってきます。
想像力の大切さや鍛え方はネットに多くの記事があります。調べてみてください。
想像力についての面白い一例があります。
“脳内旅行”です。
実際にそこに旅行にいかなくても、そこにいる自分を思い浮かべ、計画を立てるだけで、脳内では変化が起き、幸福度が増すそうです。
脳内旅行は現実世界における旅行計画を立てるとき以外でもできます。読書の中にあるストーリーに入り込める、映画の中にある世界に飛び込める、ニュースの中にある事件に巻き込まれる、、、。
想像力のある人は、人の2倍の経験ができるのです。しかも、その世界の主人公として。その状況を自分事と捉えることで、その時の感情や思考があなたの頭の中で蓄積されていきます。
つねに頭の中は、自分が見たもの聞いたものの中にいるのです。
突然ですが、問題です。
今のあなたの想像力をちょっとだけ試してみましょう。
実際にこの事件の中にあなたがいると想像してください。
“腕のいい強盗が大金持ちの家の金庫から数えきれないほど多額の現金を盗みました。仲間からいくら盗んだのか尋ねられましたが、数えるのは気が遠くなる作業です。しかし強盗は「1時間あれば金額を教えられる」と仲間に伝え、焦ることなく1時間後に金額を伝えることができました。数えるための助っ人は1人も呼んでいません。さて強盗は、どんな方法で金額を知ったのでしょうか?”
あなたは強盗になりきれましたか?