ひねくれ者の頭の中日記

人と違う視点を持った”ひねくれ者”のブログです。

音楽が人生を彩る。~『君の名は』から何を考える~

Twitterをフォローしてくださっているえっせー@Lv13さん(@everyday0utput)さんが非常に興味深い記事を書いていました。

素晴らしい映像作品に良いBGMは必要条件 - 思考.txt

良い映像作品には、“中身が良い”と“音楽が良い”という二つの要素が必要であり、ある映像を見て「良い」と思った時には、BGMも良いということが書かれています。

確かに思い返してみると、テレビを見るにしても、Youtubeを見るにしても、必ず音楽が流れていることに気づきますよね。

今回は、音楽が私たちにもたらす効果について考えていきたいと思います。

 

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大ヒットした『君の名は』

映像と音楽の関連性について考えたときに、一番最初に思い浮かぶのは、大ヒット映画『君の名は』ではないだろうか。美しい映像や引き込まれるストーリー性もさることながら、劇中に使用されたRADWIMPSの楽曲は、この作品に多大なる影響を与えている。『夢灯籠』『前前前世』『スパークル』『なんでもないや』の4曲をメインとし、劇中に流れる歌詞のない楽曲までもRADWIMPSが作成したそうだ。

果たしてこれらの楽曲は“BGM”として使用されたのであろうか。私の考え方はNOである。これらの楽曲は、作品を支えるだけでなく、作品の主役の一部となり、作品の顔ともなりうる存在となっていた。RADWIMPSのアルバムの初回限定版DVDには、新海誠監督との対談が収録されているが、そこで新海誠監督は以下のように語っている。(@shiba710さんのhttp://shiba710.hateblo.jp/entry/2016/09/14/122251参照。こちらの記事では『君の名は』のヒットの理由について詳しく書かれている。)

 

劇伴とかBGMとか主題歌みたいな考え方じゃなくて、神木隆之介さんや上白石萌音さんみたいな登場人物の一つとしてRADWIMPSの楽曲がある。そういう設計の仕方をしないと上手くいかないだろうなと思いました。

 

もし、これらの曲がこの作品で使用されていなければ、ここまでのヒットをしたであろうか。少なくとも私は、この映画を見るまでは、これらの曲の存在すら知らなかった。友人とカラオケに行って、『なんでもないや』が歌われたとき、「この曲は何だ?」という気持ちになったことを覚えている。もはや、これらの曲と『君の名は』という作品は、切っても切り離せない関係にあり、常に頭の中でリンクする関係にあるのだ。

 

RADWIMPSとのコラボレーションの中で彼らが作ってくれた音楽というものが、物語の形を少しずつ変えていったというのはあります。今回音楽はすごく大きな要素だったので、彼らの疾走感というものが物語に出ています。例えば主人公の2人がお互いにスマホでやりとりをするだけではなくて、体に何かを書くというコミュニケーションは最初の脚本では無かったんです。RADWIMPSからあがってきた曲を聴いていたら、勢い的にスマホだけじゃおさまらずもっと外側に刻み付けるような行為をやらないとこの絵に音楽が乗らないという気持ちにさせられて、シナリオが変わっていきました。 

 

映像を作成する側からしても、音楽と映像の関係は切り離せるものではなく、その関係性からシナリオが変化していったということがわかる。

 

“歌詞派”?“メロディー派”?

「私、あのアーティストのこの曲のこの部分の歌詞が響くんだよね。」

「嘘でしょ。」と思う人もいるはず。私も思うことはある。でもその人にとっては、本当のことを言っているのだろう。音楽を聴くにあたって世の中には大きく分けて2パターンの聴き方がある。1つは、歌詞の意味を理解しながら聴く“歌詞派”。もう1つは、メロディーの心地よさを楽しむ“メロディー派”。

これには、脳の使い方も影響しているようだ。“歌詞派”は、言語をつかさどる左脳が歌詞に反応し、“メロディー派”は、感覚をつかさどる右脳がメロディーに反応するという見解もある。私は11人の考え方の違いを否定するつもりはないので、この2つのどちらが良いのかということを議論するつもりはない(ホンマでっか⁉TVでは、これについて討論する回があったよう。気になる方はネット検索へGo)。

“歌詞派”の人は、自分の経験と歌詞の内容がリンクしたときに、“メロディー派”の人は、自分の感情とメロディーの雰囲気がリンクしたときに、その曲を好きになることが多いだろう。重要なのは、どちらにしても、音楽というものが現実世界の何かとリンクすることで、自分の中で大きな価値を持つことになるということである。

 

“音楽”と“あなた”

あなたが楽しかったときにそばにあった音楽は何だろうか?

あなたが悲しかったときに支えてくれた音楽は何だろうか?

これらの問いに対して、ふと思い浮かぶ曲がある人は、これからも音楽と寄り添える豊かな人生を歩むことができるだろう。もちろん、音楽はあなたが生きるために絶対に必要なものではない。しかし、あなたがこれからの人生において、喜怒哀楽を感じたとき、大きなイベントに遭遇したときに、そのときの感情とそのときの感情の隣にあった音楽がセットとなって記憶となれば、あなたのその感情はその後の人生を彩るものとなるだろう。

悲しくなったときに、必ずしも元気づけられるようなアップテンポの曲を聴くという人ばかりではない。そういうときにあえて悲しいバラードを聴いて、自分の感情と音楽をリンクさせて悲しさを昇華する人だっている。それでいいのだ。

 

 

My Best Music

な んとなく生きていたって楽しくないですよね。

く じけそうになることだってたくさんあります。

も うどうでもいいやって思ったときこそ、何かこの先におもしろいことがある

ん じゃないのかって思うんです。

か なり抽象的ですけど、この気持ちを思い出せてくれる曲があります。

『なくもんか』いきものがかり

この曲が私の中で1番感情とリンクしている、人生を彩る曲です。

何か壁にぶつかったときに、これからが面白い時間なんだって思って、その壁をポジティブにとらえられるようになります。

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Cf:ミラーニューロン効果)

人間の脳内に存在するミラーニューロンという神経細胞が、他人の行動を見て、まるで自分が同じ行動をしているかのように反応するみたいです。

明るい曲を聴いて元気になるといったような効果は、このミラーニューロンによるものだそうです。

ここから音楽が人の感情を動かすといった効果が生まれるんですね。

そして、この効果は生演奏を聴くことによってとても大きくなります。

歌っている姿や楽器を演奏する姿を生で見ることによって、その人の感情を追体験することができ、脳が非常に活発な状態になります。

最近刺激の足りない人は、ライブに行って、脳を喜ばせてあげましょう!