ひねくれ者の頭の中日記

人と違う視点を持った”ひねくれ者”のブログです。

レストランで「ありがとう」を10回言う人

最近面白いことに気付いた。

休日に友人とレストランに食事を行ったときのことだった。

私は店員さんに対して不愛想に注文を言う友人に少しイラっとした。もちろん怒ってはいない。少しイラっとしただけ。

私はそれをカバーするかのように、店員さんに注文を告げた後、「ありがとうございます。」と一言添えた。特にその一言に効果があるとは思わないが。

 

そのとき気付いた。私はこれまで、飲食店の店員さんに対して、とてつもない数の「ありがとうございます。」を言っている。

 

私が「ありがとうございます。」と言ったのは、友人のせいではなかった。完全に習慣として言っていた。振り返ってみると、1回の食事で最低でも4回、最高でも10回の「ありがとうございます。」を言っていた。

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①席に案内されたとき

店に入る。おしゃれな店だ。店員さんに「2人です。」と指をピースの形にしながら伝える。少し奥の2人で話すにはちょうど良さそうな席に案内してもらった。

「ありがとうございます。」

②水が運ばれたとき

メニューを手に取る。優柔不断な私は決めるのに時間がかかりそう。そう考えているときに目の前に小さめの2つの水の入ったグラスが置かれた。

「ありがとうございます。」

③注文をするとき

友人はすぐに注文を決めた。私は決断に時間がかかる。しかもここは初めて来る店だ。こういうときは先に店員を呼んでから、自分を追い込んで強制的に注文を決めるスタイルで臨む。自分の決断に半信半疑で注文をする。厨房に向かおうとする店員さんに

「ありがとうございます。」

もしくは、ここは

「お願いします。」

④料理が運ばれてきたとき

私の決断は間違っていなかった。完全にイメージ通りの料理が来た。今日はツイてる。いや、私の決断力が磨かれてきている。そしてその成果が目の前に置かれた。

「ありがとうございます。」

⑤皿が下げられたとき

店員さんのお客さんを見る目が鋭い。その気持ちわかる。私も飲食店でバイトをしていたからわかる。何もすることがないと暇なのだ。だから、料理を食べ終えたお客さんのところに行って皿を下げる。閉店間際だと、早く閉店作業をしたいから、よりその目つきが鋭くなる。わざわざ自分たちのお皿に目を光らせてくれた店員さんに

「ありがとうございます。」

⑥水が追加されたとき

水がセルフで追加できないのは不便ではあるが、それはそのレストランが少々お高めの店であるということのバロメーターでもあるのだ。そして暇な店員さんは水のグラスにも鋭い目線を向ける。小さなグラスにわずかな水が注がれる。

「ありがとうございます。」

⑦⑧⑨ドリンクを頼んだとき、ドリンクが運ばれたとき、グラスが下げられたとき

長居して友人と話すときは追加でドリンクを頼む。以降は説明するまでもない。何かを言うとすれば、「ありがとうございます。」のフィーバータイムである。

⑩会計をしたとき

今日は面白い話ができた。不愛想な友人だが人生設計はきちんとしている。価値観も独特のものがある。また話を聞くことになりそうだ。今日は私が全額支払って店を出た。

「ありがとうございます。」

もしくは、ここは、

「ありがとうございました。」か「ごちそうさまでした。」

 

 

私は何がきっかけであったかはわからないが、「ありがとう」や「よろしく」の感情をきちんと態度に出して、相手にわかるように表現することへの強いこだわりがある。

相手に気を遣ってしまうという性格の影響であるのかもしれないが、「ありがとう」や「よろしく」ときちんと相手に伝えないと気が済まない。

先ほどの状況であれば、友人との会話が多少途切れようとも、必ず店員に少し頭を下げ、軽い口調で「ありがとうございます。」と言う。

これだけ頻繁に「ありがとうございます。」と言っているが、一度として惰性で言ったことはない。大きな感謝ではないが、本当にその店員に対して感謝の気持ちがあるときにしか「ありがとうございます。」と言わない。というか、感情のない「ありがとうございます。」を自分が言ったところで、そんな自分の言葉に価値なんてないと思う。

飲食店に限った話ではない。車を運転しているときに狭い道の手前で止まって譲ってもらった相手には、少し頭を下げ、右手を挙げて、言葉で伝えることができなくとも、相手にこちらの気持ちが伝わるようにする。

 

 

世の中には私たちが思っている以上に感謝を伝えるチャンスがある。感謝を伝えることの利点は、人間関係をプラスの方向にもっていくエネルギーが存在することである。感謝を伝えることがあれば、感謝を伝えられることがある。感謝は相互関係で発生し、またその感謝を伝えることで、感謝が連鎖的に増えていく。これは集団形成において本当に重要な要素である。

もちろん感謝は伝えることが全てではないとも思う。ただ1つ確実に言えることは、感謝を伝えることにほとんどデメリットがないということである。感謝を伝えないよりは伝えたほうが確実に良いのだ。

 

 

 

 

最後に、

飲食店の店員目線からお客さんのことを語る面白い動画がありました。"俺の持論"という番組で、お笑いコンビのウエストランドの井口さんが話している動画です。一度見てみてください。これをきっかけに普段の行動が少し変わるかもしれません。

www.youtube.com